今日は、パートで働く方にも関係のある「社会保険制度の改正」について、できるだけ簡単にまとめてみました。
■ これからパートさんも社会保険に入りやすくなります
2025年(令和7年)6月に、年金制度などの見直しを含む法律が成立しました。
この中には、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入対象を広げる内容が含まれています。
今まで「年収106万円の壁」や「週20時間以上だけど会社が小さいから加入しなくてよかった」という方も、今後は社会保険に加入する必要が出てくるかもしれません。
■ 今回の改正のポイントはこの3つ!
① 働く会社の「規模」の条件がなくなる
今までは「従業員101人以上の会社」で週20時間以上働く人が対象でしたが、
今後は会社の規模に関係なく、週20時間以上で社会保険の対象に。
少人数の会社で働くパートさんにも影響が出てきます。
② 「年収106万円の壁」がなくなる
月収8.8万円以上(年収約106万円)という加入ラインがありましたが、
この賃金の条件がなくなります。
つまり、週20時間以上働いていれば、収入に関係なく社会保険の対象になることがあります。
③ 個人事業所でも社会保険の対象が広がる
いままでは特定の業種に限られていた個人事業所も、
5人以上の従業員がいれば基本的に社会保険の対象に。
ただし、すでにある事業所はしばらく対象外(経過措置あり)です。
■ 社会保険に入るとどうなる?
「手取りが減るんじゃ…」と心配になる方も多いと思います。
たしかに保険料はかかりますが、それ以上に安心できるサポートがあります。
- 将来の年金が「基礎年金+厚生年金」で手厚くなる
- 病気やけが、出産で会社を休んだときの保障がある
- 育休・傷病手当など、いざというときに使える制度がある
■ 扶養のままではいられない?
「週20時間以上働くと扶養から外れますか?」という質問もよく聞きます。
答えは「場合によっては外れることもある」です。
- 週20時間以上の勤務が2か月以上続くと、加入対象になる
- 年収が130万円を超えると、扶養から外れる可能性あり(20時間未満でも)
扶養のままでいたい方は、時間や収入の調整が必要になるかもしれません。
■ 手取りが減る人へのサポートも
「社会保険に入ると手取りが減る…」という不安に対して、
保険料を一時的に軽減する制度も準備されています。
- 対象:50人以下の会社で働き、月収12.6万円以下などの条件を満たす人
- 期間:3年間
- 内容:会社が保険料を多く負担→その分を国が支援
会社がこの制度を使えば、負担はかなり抑えられるかもしれません。
■ 最後に|大事なのは「知ること」「選ぶこと」
今回の改正は「関係ない」と思っていた人にも、少しずつ影響してきます。
パート勤務の中で、
- もっと働く?
- 扶養のまま続ける?
- 正社員を目指す?
など、自分らしい働き方を考えるきっかけになると思います。
私自身、子育てと仕事を両立する中で「制度を知ること」の大切さを感じています。
この記事が、働き方を考えるヒントになれば嬉しいです。
☑ 気になる方へ
もっと詳しく知りたい方は、厚生労働省の「社会保険適用拡大特設サイト」などをご覧ください。
また、会社の人事担当やハローワークでも相談できます。
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