親の受験になっていませんか?
高校3年生の受験期は、親にとっても大きな試練の時期です。
「ちゃんと勉強してるの?」「志望校は決めた?」とつい聞いてしまい、親の不安や焦りが子どもにプレッシャーを与えてしまうこともあります。
先日、娘と一緒に大学のオープンキャンパスに行ったとき、私はある光景を見てハッとしました。
受付を終えてパンフレットが並ぶ机に向かうと、あるお母さんが人混みをかき分けて複数の資料を取り、
「◯◯ちゃん、お手伝いして!」と我が子に声をかけていました。 それを見て、思わず心の中でこうつぶやいたのです。
「あれ…これ、お母さんの受験?」
もちろん、我が子のために動きたい気持ちはよく分かります。 私もかつては、勉強や進路のあれこれに口を出しすぎる“やり過ぎママ”でした。 しかし、その経験を経て学んだのは、「親は主役ではなく伴走者であるべき」 ということです。
この記事では、オープンキャンパスで改めて感じた 「子どもが伸びる親の接し方3つのポイント」 をシングルマザーの体験談からお伝えします。
子どもが伸びる親の接し方3つのポイント
1. 子どものペースを尊重して見守る
受験は子どもの人生の大きな節目ですが、親の人生ではありません。 つい「こうした方がいい」「もっと頑張らないと」と口を出したくなるのは、親としての愛情ゆえです。 でも、親が先回りしすぎると 子どもが考える力を奪い、自分で決断する機会を失わせてしまう ことがあります。
私はある時、「これは私の受験ではない」と強く意識するようになりました。 子どもが「自分で決めて行動する」経験は、受験だけでなく将来にもつながります。
見守るコツ:
- 「どう思う?」と問いかけるだけで終わる
- 親の意見を押し付けない
- 子どもが失敗しそうでも、あえて見守る勇気を持つ
「言いたいことを飲み込む」のは難しいですが、親が一歩引くことで子どもの成長を信じる姿勢 が生まれます。
2. 情報を整理して“選択肢”だけをそっと差し出す
大学の入試制度や奨学金、学部の特徴など、情報量は膨大です。 親が調べてあげることは悪いことではありません。むしろ、情報の整理役としてサポートするのは親の強み だと思います。
ただし、ポイントは 「こうしなさい」ではなく「こんな選択肢もあるよ」と伝える こと。 子どもが自分で選び、考える余地を残してあげるのが大切です。
例えば、我が家では次のように工夫しています。
- 大学や学部のパンフレットはざっと目を通し、気になる点について「確認してみたら?」と促す
- 「これ、あなたに合うかも?」ではなく、「こういう学部もあるよ、どう思う?」と聞く
- 奨学金制度や入試制度についてはある程度解説、自分で調べるきっかけを作ってあげる
親が“サポート役”に徹することで、「選択の主導権は子どもにある」 という意識を持たせることができます。
3. メンタルと生活リズムのサポートに集中する
受験期の子どもにとって、一番ありがたいのは 「心と生活の安定」 かもしれません。 親ができることは、難しいアドバイスではなく、 日常の安心感を提供すること です。
- 栄養バランスの良い食事や夜食を準備する
- 模試後に「お疲れさま」と一言かける
- 勉強以外の話題で気分転換できるようにする
子どもがストレスで不安定になった時も、「大丈夫、応援してるよ」と寄り添うだけで気持ちは落ち着くものです。 親の安心感が、子どもの挑戦を後押しするエネルギー になると私は実感しています。
シングルマザーだから気づけたこと
シングルマザーである私は、経済的な不安や時間的な制約を感じることも多く、 「十分にサポートできているだろうか」と不安になることがあります。 でも、娘と話していて気づいたのは、「お金や環境よりも、親の姿勢が大事」 ということです。
「ママが私を信じてくれてる」
「何があっても応援してくれる」
この安心感こそが、子どもの力になるのだと思います。
時間的にも金銭的にも、すべてを完璧にやり切るなんて無理。だからこそ、シングルマザーである私には“子どもの自立を後押しできるチャンス”があると思うんです。だって、私ひとりで全部サポートしきれるわけじゃないし、そんな余裕もない。だけど、それが逆に子どもの成長につながる気がします。私が頑張りすぎて余裕を失えば、家庭の空気までピリピリしてしまう。だから、子どもを信じて見守ることも立派なサポートなんですよね。
まとめ:親は伴走者であり、主役は子ども
受験は、親も子も心が揺れる時期です。 オープンキャンパスで見た“親の受験”のような光景をきっかけに、私は改めて 「主役は子ども」 だと感じました。
- 親は 一歩引いて見守る勇気 を持つ
- 子どもの自主性を尊重し、選択肢を提示するだけにとどめる
- 心と生活のサポートを優先し、安心できる環境を整える
これらを意識するだけで、子どもは自分で考え、自分で未来を切り開く力を育てていきます。 シングルマザーとしてできることは限られているかもしれません。 それでも、「あなたの味方だよ」と伝えることが、何よりも強い支えになると私は信じています。
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